リップルは国際送金での利用に長けた仮想通貨(暗号資産)であり、さまざまな金融機関や企業と提携して、送金手段としての実用化を進めている。
また、その将来性への期待から投資対象としても人気が高く、時価総額のランキングでは常に上位につけている。
なお、リップルは2020年より「仮想通貨XRPは有価証券である」と提訴され、長らく裁判を続けていた。
しかし、2023年7月には「XRP token itself is not a security(仮想通貨リップル自身は有価証券にあらず)」と一部判決を下され、話題になった。
今回はそんなリップルについて、特徴や歴史、今後の見通しなどを見ていきます。
- リップルは、国際送金手段としての普及を目指している仮想通貨
- リップル社が管理している、中央集権的な性質を持った仮想通貨である
- 取引処理にかかる時間が短く、取引コストも安いことから、国際送金手段に適している
- リップルを用いた国際送金ネットワークはすでに実用化されており、着実に普及が進んでいる
- リップルの価格は2020年末から一時高騰していたが、2021年の中頃以降は下落基調に陥った
- 2023年からはリップルの価格も上昇基調を見せている
リップル(XRP)とは
名称 | リップル |
ティッカーシンボル・通貨単位 | XRP |
コンセンサスアルゴリズム | プルーフ・オブ・コンセンサス(PoC) |
発行上限 | 1,000億枚 |
価格* | 98.78円/XRP |
時価総額ランキング* | 5位 |
*2023年8月1日時点、CoinMarcketCap調べ
リップル(XRP)は、米カリフォルニア州に本社を置くリップル社が開発した送金ネットワーク、「リップルネット」上で使用される仮想通貨(暗号資産)だ。
現在の国際送金システムの主流はSWIFTだが、SWIFTは安全に使える一方で送金にかかる時間が長く、手数料も割高といった課題を抱えている。
そこでリップルは、SWIFTの持つ課題を解決して、それに代わる国際送金手段となることを目指している。
ビットコインやイーサリアムといった分散型の仮想通貨に対してリップルは中央集権型の仮想通貨という特徴がある。そのため、高速で処理を実行することができるというのがメリットと言えるだろう。
リップル(XRP)の特徴
さて、国際送金での利用に長けた仮想通貨リップルは、次のような特徴を有している。
リップルの主な特徴
- 中央集権的な仮想通貨である
- 取引処理にかかる時間が短く、取引コストも安い
- ブリッジ通貨としての機能を持つ
中央集権的な仮想通貨である
ビットコインなどの仮想通貨は、中央集権的な管理者を持たない。
それに対してリップルは、発行元であるリップル社が管理・運営を行っている中央集権的な仮想通貨だ。
またリップルは上限の1,000億枚分をすべて発行済みであり、そのうちの過半数を超える630億枚をリップル社が保有している。
ただ、その状態だとリップル社の裁量で価値をコントロールできてしまうため、2017年、リップル社は信用確保のため、自社保有分の約90%を中立な第三者の元でロックアップして、自由に売買することを自ら封じた。
ちなみにロックアップされたリップルは、毎月10億枚ずつロックアップを解除されており、そうすることでリップルは少しずつ市場に供給されている。
取引処理にかかる時間が短く、取引コストも安い
人の動きや経済がグローバル化するなかで国際送金の需要は増すばかりだが、銀行を経由する従来型の国際送金は、送金に時間とコストがかかることが問題視されている。
一方でリップルでは、リップル社が公表しているデータによると、1回の取引あたり3.3秒で送金が完了し、手数料はわずか約0.0004ドルに抑えることができる。
また、この送金スピードと手数料の安さは、法定通貨だけでなく他の主要な仮想通貨も上回っている。
このような優れた性能を発揮できる要因は、リップルのコンセンサスアルゴリズムにある。
コンセンサスアルゴリズムとは、取引を検証して合意形成を行う方法のことだが、例えばビットコインでは取引の検証時に、不特定多数のネットワーク参加者の力を借りて膨大な計算をおこなうため、処理に時間がかかってしまう。
それに対してリップルは、信用のおける少人数に検証・承認作業を任せる仕組みになっているため、取引の高速・低コスト化を実現している。
ブリッジ通貨としての機能を持つ
ブリッジ通貨とは文字どおり、異なる通貨の橋渡しができる通貨のことであり、リップルはそのブリッジ通貨の機能を有している。
例えば日本円をドルに替えて、海外に送金するとしよう。
そこでリップルをブリッジ通貨として使い、①日本円をリップルにいったん換金する、②リップルをドルに換金する、という手順を踏んで送金すると、換金の手間は1つ増えるが、送金にかかる時間とコストは大幅に削減することができる。
ここでは一例として日本円とドルを挙げたが、リップルはそれ以外にもあらゆる通貨の架け橋となれるポテンシャルを秘めている。
リップル(XRP)の歴史
ここで、誕生から現在までのリップルの歴史における重要なポイントを学んでおこう。
2012年9月:OpenCoin社(現リップル社)が設立された
2012年9月に、ジェド・マカレブ氏とクリス・ラーセン氏によって、フィンテック企業のOpenCoin Inc.が設立された。
またOpenCoin Inc.は、2013年にRipple Labs Inc.、さらに2015年にはRipple Inc. へと社名を変更している。
2013年1月:リップルが発行された
リップルネットの基軸通貨であるリップルは、2013年1月に誕生した。
先述の通りリップルの発行上限は1,000億枚だが、誕生時点でそのすべての発行が完了している。
2016年5月:SBIホールディングスと合同で「SBI Ripple Asia」を設立
リップル社は日本の大手金融グループであるSBIホールディングスと共同で、SBI Ripple Asia株式会社を設立した。
同社の設立目的は、日本を含むアジア圏を対象として、仮想通貨やブロックチェーンを活用した決済サービスを提供することであり、実際にタイやカンボジアなどでリップルネットを活かした国際送金サービスを手がけている。
2020年12月:バンク・オブ・アメリカがリップルネットに参加
2020年12月、リップルネットにアメリカの銀行で2番目の規模を誇るバンク・オブ・アメリカが加入することとなった。
ちなみにリップルネットは2022年末時点で55か国以上の法定通貨に対応しており、参加している金融機関や企業は300社を超えている。
2020年12月:アメリカの証券取引委員会(SEC)がリップル社を提訴
アメリカの証券取引委員会(SEC)は、中央集権的な通貨であるリップルは有価証券であり、有価証券登録をせずリップルを販売してきたことは違法だとして、リップル社や創設者らを提訴した。
リップル社は常にSECがXRPの販売は投資契約であるという点を証明できないとして裁判には一貫して自分たちに有利な判決がされるということを期待している。
後ほどリップル社が抱える問題点としてより詳しく取り上げるが、この裁判は約2年が経過しても、未だに判決が出されていない。
2023年7月: 「仮想通貨リップル自身は有価証券ではない」と部分的な判決が下される
上述の通り、リップルはその有価証券性を問われ、2020年から長らく裁判の渦中にあった。しかしついに、2023年7月13日にアメリカ地方裁判所が「XRP token itself is not a security (仮想通貨リップル自身は有価証券にあらず)」と部分的な判決を下し、大きな話題を呼んだ。
上記の部分判決を受け、一時は前日比で+80%以上まで価格が高騰するなどし、今後の価格動向に注目が集まっている状況だ。
仮想通貨リップル自体が有価証券ではないとしたものの、付随する取引(transactions)やスキーム(scheme)に関してはさらに討論される必要があるとしている。
アメリカの大手仮想通貨取引所であるコインベースに再上場が決定するなど、盛り上がっている。
リップル(XRP)の価格動向/推移
続いては、リップルのこれまでの価格動向を振り返ってみよう。
長期的な値動きと短期的な値動きを見ていこう。
リップル(XRP)の長期的な価格動向
以下に示すのは、2014年1月から2023年上旬までのリップル/米ドルチャートだ。
長期的な視点で見るとリップルは、2014年から2016年まではそれほど目立った値動きがなかった。
大きな変化が訪れたのは2017年であり、まず2017年5月にリップル社が自社保有のリップルにロックアップをかけたことを市場が好感して、価格が高騰した。
さらに2017年末から2018年初頭のいわゆる仮想通貨バブルでは、2017年始値と比較して一時は約560倍まで急騰している。
バブル崩壊後はしばらく低迷が続くが、リップルは2020年末から再び値動きが活発になった。
ただ2020年はリップル以外の主要銘柄も軒並み価格が高騰しており、例えばビットコインやイーサリアムは以下に示すとおり、リップルとは違って2017年末のバブル時につけた高値を更新するほどの勢いを見せている。
リップルが主要銘柄の1つに数えられるにもかかわらず、ビットコインやイーサリアムほどの活況に至らなかったのは、2020年末に米国証券取引委員会(SEC)に提訴されたことによる影響が大きい。
裁判の行方によってはアメリカでのリップルの扱いが大きく変わってしまうため、それに市場が警戒感を示して高騰に歯止めがかかったと見られている。
なお、2020年末からのリップルの高騰はあまり長続きせず、2021年中頃を過ぎると下落基調に転じていた。しかし2023年初頭からは上昇する基調を見せている。
リップル(XRP)の短期的な価格動向
続いて、リップルの短期的な価格動向を見ていこう。
これは、2023年8月上旬から直近1ヶ月までのチャートだ。
チャートからもお分かりになると思うが、リップルはあまり目立った値動きは見せていなかった。
しかし、先述の通りリップルに関わる裁判の一部判決が下されたことにより、一気に価格が高騰した。
一時期は、前日比でプラス80%以上もの価格上昇まで到達した。しかし、その後価格は調整が入り若干の下落傾向にあると言える。
裁判自体はまだ続いているので今後の動向には注意する必要があるだろう。リップルが完全勝利(またはポジティブな判決を受ける)するなどすれば、さらなる価格上昇を見せる可能性もあるかもしれない。
リップル(XRP)の予想・見通し①短期テクニカル分析
ここからは、より深くリップルの将来予想や見通しについて、テクニカル分析を用いて解説していきたい。
「短期的にはリップルはどのように推移するの?」と疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてほしい。
2023年8月時点から1~3ヶ月ほどのスパンの分析を展開していく。
テクニカル分析はあくまでも、分析手法の一つであり、その予想は決して絶対ではないということを念頭においてほしい。
2023年8月現在のリップルの現状
現状のリップルの相場状況を把握するために、最近のリップルの価格推移をリップル/日本円チャートで確認していこう。
次のチャートは、2023年2月1日から2023年7月27日までの日足の値動きを示したものだ。
2023年7月27日現在、日足レベルの時間軸において、リップルは上昇トレンド継続中である。これまでの価格推移を時系列で見ると、2023年3月29日に高値となる77円(赤枠左)を付けた後、上昇の勢いを止められ下落している。
その後5月11日に、押し目となる56円(赤枠下部)を付け再び上昇に転じ、6月19日には高値77円をローソク足のヒゲで上抜き(赤色右)高値を更新した。
高値更新後は、短期的にレンジ相場を形成し、7月13日、トレンドライン上となる66円で大きく上昇している。
現在は上昇反発後、短期足レベルの時間軸においてレンジ相場を形成している。今後はどこの価格帯で押し目を形成できるかに注目しつつ価格推移をチェックしたい。
今後の価格動向
現状の相場状況を踏まえた上で、今後1ヶ月~3ヶ月程度の短期的なリップルの価格について見ていく。
次のチャートを見てほしい。チャートは2023年3月1日から2023年7月27日までの日足の値動きを示したものだ。
直近の相場状況を見てみると、7月13日に116円を付けた後、はらみ線が出現している。その後は7月27日現在まで短期的にはらみ線の範囲内でレンジ相場を形成しているのが確認できる。
今後はどこの価格帯で押し目を形成できるかがポイントとなる。押し目形成ポイントはいくつかあるが、まず候補となるポイントは水平線で示した95円付近で、ここはチャネルライン上部と重なる価格帯なので、ここで押し目を形成できれば上昇反発する可能性が高くなる。
その場合の上値メドは116円から119円付近となるが、価格がローソク足実体レベルでこの価格帯を明確に上抜くことができれば、さらなる上昇が見込まれる。
しかし、もしここで押し目を形成できなければ、価格は短期的に山谷を形成しながら次の押し目形成ポイントを目指すことになる。現状の価格は、はらみ線内で推移しているので、65円から120円の範囲内で推移する可能性が高い。
一方で、もし価格が65円を下抜けた場合、日足レベルの時間軸において上昇トレンドは終了する。
現状は日足、週足共に上昇トレンド中なので、下抜ける可能性は低いものの、相場に100%確実なことはないので、念のため注意したい。今後はこれらの点に注目しつつ価格推移をチェックしたい。
リップル(XRP)の予想・見通し②長期テクニカル分析
次は、リップルの長期的な見通しについてテクニカル分析を用いて解説していく。
数ヶ月~数年単位でのリップルの投資に興味がある方はぜひ参考にしてほしい。
次に、長期的なリップルの相場状況を見てみよう。次のチャートは、2021年3月から2023年4月前までの週足の値動きを示したものだ。
週足で長期的な相場状況を確認してみると、2021年2月に付けた押し安値36円(赤枠)付近で、価格が2度サポートされているので、この価格帯では買い圧力が強いことが分かる。
この押し安値を下回らない限り、目線は上目線となる。
2021年4月に210円の最高値を付けて以降、リップルの価格は下落傾向が続いていたものの、押し安値付近で2度サポートされたことで、上昇に向けた足場を固めたようにも見える。
しかし、最近の急激な上昇により、週足の前回高値付近に価格が到達しているので、この付近で価格の上昇が抑えられ、下落局面が訪れる可能性が想定される。
このため、「値ごろ感」や「最近の急激な上昇に乗り遅れた」といった焦りから、安易に購入することは含み損を抱える可能性が高くなるので注意が必要である。
長期的に注目したいポイントを解説するために、次のチャートを見てほしい。
このチャートは2021年4月から2023年3月末日までの週足の値動きを示したものだ。
今後価格が上昇するためには、まず前回高値80円(赤枠)を明確に上抜けることが条件となる。
もし、価格が上抜けることができたら、次は押し目の形成できるかが焦点となる。
およそ70円から55円付近にはサポート帯があるので、この価格帯で黒色のラインで示したように押し目を形成し反発することができれば、さらなる上昇が期待できる。
その場合、次の上値メドはおよそ90円から100円付近となる。
100円を超えてくると、およそ110円から113円付近が次の上値メドとなる。
そして、113円付近を超えてくると120円が次なる上値メドとなる。
テクニカル的には140円付近に、過去に2度価格が抑えられているレジスタンスがあるので、ここまで上昇することができたとしても、この価格帯で上昇の勢いが止められる可能性がある。
その後は一旦押し目を形成するために下落局面を迎えることが想定される。
総合的に言えば、現状のリップルの価格は、2021年4月に210円の最高値を付けて以降、下落傾向にあったが、現在上昇するための足場固めを完了しようとしている。
今後足場固めを確認するためには、前回高値80円を上抜けることが大前提なので、まずはその点に注目したい。
次に、上昇トレンドを確定するにはサポート帯で押し目を形成する必要があるため、前回高値を上抜けた後は押し目を形成できるかに注目したい。
サポート帯で押し目を形成し反発することができれば、その後の価格上昇が期待できる。
一方で、相場に100%確実なことはないことも事実なので、投資の際は相場状況を十分見極めた上で、注意深く行いたい。
リップル(XRP)の今後の見通し/将来性
リップルは訴訟問題を抱えているが、実用面での将来性はどうなのだろうか。
ここでは、リップルの今後に関わるポジティブな要素を3つ紹介していく。
リップルの今後に関わる重要なポイント
- リップル社が株式市場への上場を目指している
- 着実に送金手段としての普及を進めている
- サイドチェーンを開発中である
リップル社が株式市場への上場を目指している
リップル社は現在、アメリカの株式市場には上場していないが、例えば仮想通貨取引所のCoinbaseなど仮想通貨業界でも株式市場上場を果たす企業が現れ始めていることから、期待を寄せられている。
リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏は2021年5月のカンファレンスにおいて、SECと訴訟中であることを踏まえてIPO(新規株式公開)に深く言及しなかった。
しかしこれまでに度々IPOの実施を示唆したこともあったから、訴訟問題が解決したらIPOに乗り出す可能性は十分にあるだろう。
また株式市場への上場を果たせば、リップル社は開発資金をこれまでよりも容易に調達できるようになるだろう。
着実に送金手段としての普及を進めている
先ほど述べた通り、リップル社の送金ネットワークであるリップルネットには300を超える金融機関や企業が参加しており、その数はさらに増えてきている。
例えば直近では、2021年末にアラブ首長国連邦(UAE)の国際送金会社アル・アンサリ・エクスチェンジと、カタールの国立銀行がリップルネットに加入した。
そういった実需が増えることは、基軸通貨であるリップルの価値の安定にもつながっていくことだろう。
サイドチェーンを開発中である
リップル社は2021年6月に、リップルの分散型台帳であるXRPレジャー(XRPL)へのサイドチェーン追加を目指すことを表明した。
サイドチェーンを追加できるようになれば、リップルのブロックチェーンの技術を活かしながら、また別の通貨を新規発行できるようになる他、DeFi(分散型金融)やスマートコントラクトも実装可能になる。
さらにイーサリアムブロックチェーンと互換性のあるサイドチェーンも開発中であり、これらの取り組みによってユースケースが広がれば、おのずとリップルの価格にも良い影響が表れるだろう。
リップル(XRP)の課題・問題点
最後に、訴訟問題も含めてリップルが抱える課題・問題点も把握しておこう。
リップルの課題・問題点
- 法定通貨と比べて価格変動が大きい
- 有価証券訴訟の判決待ちである
- 仮想通貨に対する法整備が不十分である
法定通貨と比べて価格変動が大きい
リップルに限らないが仮想通貨の多くは、法定通貨と比べて価格の変動が大きくなる傾向があり、リップルにおいても価値が半減するほどの急落が幾度となく起きている。
値動きが大きいと、投資や投機対象としては喜ばしいことかもしれないが、実用の面から見ると価値が安定しないことは大きなリスクだと言えるだろう。
有価証券訴訟の判決待ちである
繰り返しになるがリップル社や創設者らは2020年12月に、リップルを有価証券登録しないまま販売したことが違法であると米証券取引委員会(SEC)に提訴された。
これまで約2年にわたり、リップル社とSECの双方が自らの主張をぶつけ合ってきた。
リップル社CEOのガーリングハウス氏は、2021年末の米CNBCからの取材に対して、2022年中に判決が出る可能性があるとの見通しを述べており、終結は近いのかもしれない。
どちらが優勢かは不明だが、もしもSEC側が勝訴してリップルが有価証券であると認められれば、アメリカでのリップルの扱いは大きく変わることになる。
また、他の仮想通貨も同様に非証券として扱われる可能性もあるため、相場全体にポジティブな影響を及ぼすことだろう。
しかし、アメリカ以外の国はこの争いを傍観している状態だが、アメリカでのリップルの扱いが有価証券となれば、それに倣う国が出てくる可能性もあるので要注意だ。
仮想通貨に対する法整備が不十分である
リップル社はSECとの訴訟を含めて、アメリカにおける仮想通貨の法整備に対して強い不信感を抱いている。
2013年から7年も仮想通貨として取り扱われてきたところを、ある日突然に違法だったと言われて提訴されたのだから、それもやむを得ないのかもしれない。
リップルの扱いのみならず、仮想通貨の法体系は不十分なところが多々あり、2021年11月にリップル社は、アメリカにおけるより実用的な仮想通貨規制のあり方を提案し、特に官民連携の重要性を訴えている。
また、法整備が不十分なのはアメリカに限ったことではなく、世界中で仮想通貨やブロックチェーンの技術革新に対して法整備が追いついていない。
どの国においても仮想通貨の発展を阻害するような強い規制がなされれば、市場全体にネガティブな影響を与え得るため、今後の法整備の動向は広く見守っていく必要があるだろう。
リップル(XRP)に関してよくある質問
リップル(XRP)の裁判の結果はいつですか?
リップルはSEC(アメリカの証券取引委員会)から2020年12月に提訴された。
2023年8月現在でもその訴訟の完全決着はついていないが、同月には「仮想通貨リップル自身は有価証券にあらず」という旨の部分判決が米地方裁判所より下された。
裁判自体はまだ続くと考えられるので、今後の動向に注目していきたい。リップルが裁判に勝ったらどうなりますか?
リップルが提訴された際、リップルの価格は暴落した。
リップルがSECとの裁判に勝てば、リップルの価格が大きく上昇する可能性が高いと言われている。
しかし、逆も然りであり、もし裁判に敗訴すればさらに価格が下落してしまう可能性もある。
今後の動向に注視していきたい。
リップル(XRP)の今後の見通しまとめ
今回は仮想通貨リップルの特徴や、今後の見通しなどについて紹介した。
この記事のまとめ
- リップルは、SWIFTに代わる国際送金手段となることを目指している仮想通貨
- リップルは取引処理にかかる時間が短く、取引コストも安い
- リップルを用いた国際送金ネットワークはすでに実用化され、普及が進んでいる
- 日本の大手ITグループであるSBIホールディングスも、2016年からリップルの送金ネットワークを活用している
- 2023年初頭からはリップルの価格は回復基調となっている。
リップルは国際送金のためのブリッジ通貨として他の仮想通貨と差別化されており、大きな実需を獲得している。
また、時価総額ランキングでも常に上位につけていることから、投資対象として十分な魅力を備えている。
ただ、SECとの訴訟という大きな問題も抱えていることから、これからリップルへ投資するのであれば、訴訟関連の最新情報にはアンテナを張っておいた方がよいだろう。